Exorapid-qIC - 細胞外小胞用イムノクロマトキット

当社が開発した青色の貴金属ナノ粒子「金ナノプレート」を使用した「Exorapid-qIC - 細胞外小胞用イムノクロマトキット」を、株式会社島津製作所と共同開発いたしました。
本キットは、エクソソームや微小胞、アポトーシス小体、ラージオンコンソームなどの細胞外小胞(Extracellular Vesicles:EVs)を検出可能な試験研究用のイムノクロマトキットです。

開発背景

EVsは、細胞から分泌される物質(小胞体)であり、血液や尿などに豊富に含まれており、分泌元の細胞に由来する様々な情報を含むことから、バイオ研究の分野における研究対象として注目が高まっています。

Exorapid-qIC(CD9)例えば、がん細胞(悪性腫瘍)から分泌されるEVsには、分泌元のがん細胞に由来する情報が含まれているため、EVsの検出により、がんの早期診断の可能性が期待されています。また、診断用途のみならず、近年では美容や医療の分野においてもEVsが注目されております。このように、EVsは診断マーカー※1や医療材料としての応用が期待されています。

しかしながら、現在のEVs研究に使用されている分析手法は煩雑な工程、あるいは高価な分析装置を必要とする手法が多いといった課題があります。

当社は、迅速・簡便な検査手法として、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどの診断キットで活用されているイムノクロマトグラフィー(Immunochromatography;IC)法※2に着目。計測機器や医療機器分野で高い技術・実績を有する株式会社島津製作所との共同開発のもと、本キットを製品化しております。

  • ※1. 疾病を診断する際に検査対象となる成分。
  • ※2. セルロース膜上を検体溶液が毛細管現象により流れ、呈色の有無で検体の有無を判別する方法。基本的に専用装置が不要。

製品の特長と期待される利用例

製品の特長

  • 専用の装置は不要!およそ45分で試験完了!
  • EVs研究のスタートアップ簡易評価最適
  • 3種類のキットにより様々な検体のEVs検出が可能!

比較表

期待される利用例

  • 細胞活性の評価
    • - 細胞からのEVs分泌量の確認
    • - 実験に使用したEVsのバックデータ
  • EVs量の定量や管理
    • - 検体中のEVs量の測定(培地や分泌促進剤の評価などに)
    • - 経時的量変化の確認
  • CD9、CD63、CD81タンパク量の比較
    • - 検体間での量を比較

製品概要

名   称

<単品>

  • Exorapid-qIC®細胞外小胞用イムノクロマトキット(CD9)
  • Exorapid-qIC®細胞外小胞用イムノクロマトキット(CD63)
  • Exorapid-qIC®細胞外小胞用イムノクロマトキット(CD81)

<セット品>

Exorapid-qIC®細胞外小胞用イムノクロマトキット(CD9,CD63,CD81 セット)

内容物

<単品>

  • ①イムノクロマト試験紙・・・40枚
  • ②金ナノプレート標識抗体[凍結乾燥品]・・・1本
  • ③標準物質[凍結乾燥品]・・・1本
  • ④検体希釈液・・・1本
  • ⑤洗浄液・・・1本
  • ⑥アッセイ用マイクロプレート96ウェル・・・1枚
  • ➆説明書・・・1部

<セット品>

  • ①イムノクロマト試験紙・・・各6枚(合計18枚)
  • ②金ナノプレート標識抗体[凍結乾燥品]・・・各1本(合計3本)
  • ③標準物質[凍結乾燥品]・・・各1本(合計3本)
  • ④検体希釈液・・・1本
  • ⑤洗浄液・・・1本
  • ⑥アッセイ用マイクロプレート96ウェル・・・1枚
  • ➆説明書・・・1部
用   途

試験研究用(EVsの分析用試薬)

取扱説明書

検出の仕組み

  • (a)EVsを含む検体溶液を試験紙に展開すると、試験紙上に固定化された抗体によってEVsが捕捉されます。
  • (b)金ナノプレートを標識した抗体を展開すると、(a)のステップで試験紙上に固定化されたEVsと結合します。
  • (c)EVsが捕捉された部分に金ナノプレート標識抗体が集積することで、青色のラインが目視確認されます。

試験の概要

EVs表面のCD9、CD63、CD81を捕捉することでEVsを検出します。

[CD9の例]

試験例

試験評価

当社のキットは試験系に合わせてCD9、CD63、CD81キットを組み合わせて使用が可能です。

ご質問やご購入については、下記お問い合せ先までお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ先