DNT塗膜診断システム
適切な保守管理による鋼構造物のライフサイクルコスト低減
建築・構造物の適切な保守管理を目的として、近年ではライフサイクルコストの考えに立つことが一般的となっています。特にさびによる腐食を免れない鋼構造物においては、いかに適切な保守管理を行うかによって、鋼構造物の寿命や発生する寿命は大きく異なります。
鋼構造物をさびによる腐食から防ぐ最も一般的な方法は塗装を行うことですが、塗膜もまた紫外線や風雨にさらされることで徐々に劣化していきます。塗膜や鋼材の劣化が過度に進行してしまうと、建替えを余儀なくされ、最悪の場合は構造物の崩落といった重大な事故にも繋がります。
このような予防保全の観点からも、ライフサイクルコストを意識した鋼構造物の適切な保守管理の重要性が見直されています。
塗膜診断に対するDNTの取り組み
鋼構造物の保守管理方法としては、劣化した塗膜を初期の健全な状態に戻すことを目的として、塗替塗装を実施することが最もスタンダードです。しかしながら、塗替塗装を実施するタイミングは、目視による塗膜調査や経験則、保守管理予算に基づき決定されることが多く、実際の構造物の劣化状態にそぐわない場合も多々あります。
このような状況から、DNTでは塗膜および塗膜下鋼材の劣化状態を適切に評価し、さびの発生までの塗膜余寿命の予測を可能とする新技術『DNT塗膜診断システム』を開発しました。
DNT塗膜診断システムの概要
- 塗膜診断システムフロー
- 外観調査、塗膜下金属腐食診断装置による調査、塗膜調査から得られたデータをコンピュータ解析し、塗替え仕様を選定します。
- DNT塗膜診断システム適用のメリット
- 従来の塗膜診断とは一線を画する診断システムにより、理想的な構造物維持管理サイクルを実現します。
DNT塗膜診断システムの特長
- 1.カレントインタラプタ(CI)法による塗膜下金属腐食診断装置は、ISOで認定(ISO-13129)されており、測定精度の信頼性が確認されています。
- 2.塗膜劣化の範囲および劣化度を高精度で診断できるので、塗替え範囲と時期が判定できます。
- 3.塗膜劣化の範囲、劣化度、旧塗膜の種類や膜厚に応じた、適切で経済的な塗替え仕様が選定できます。
適用範囲
- 橋梁(道路橋、鉄道橋、歩道橋)
- プラント設備(電力、ガス、石油、水資源、通信)
- 建築物(鉄骨、鋼製階段、機械式駐車場)
カレントインタラプタ(CI)法とは
DNTは、より高精度かつ簡易な塗膜診断技術に向けた開発研究を行い、カレントインタラプタ法が塗装鋼の腐食診断に適用できることを見出しました。
カレントインタラプタ法は、塗装鋼に極微小の電流を印加し、その後印加を停止した電位の減衰曲線から塗膜成分の抵抗値(塗膜抵抗)と容量値(塗膜容量)、金属界面の抵抗値(分極抵抗)と容量値(分極容量)を分離して測定する方法です。
DNT塗膜診断システムおよびカレントインタラプタ方についてのより詳細な技術的説明は、DNTコーティング技法に記載されています。
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