塗膜の有害物質分析 - 鉛・クロム・PCB・アスベスト
これまで塗料には、鉛やクロム、PCB、 アスベストが品質向上や施工性向上のために用いられていましたが、現在その有害性によって使用が禁止または制限されています。
しかし過去に上記の有害物質を含む塗料が、橋梁や水門などの鋼構造物、石油・化学・電力・ガスのプラント設備 など広い分野で、使用されていた可能性があります。
そのため剥離や除去作業を行う際には作業者の健康障害の予防や周辺環境への配慮、塗膜を処分する際には適切な廃棄物処理を行わなければなりません。
書面調査や現地調査で塗膜に有害物質含有の可能性があった場合は、分析を行う必要があります。
試験方法と各規準
-
1.健康障害防止にかかわる基準<含有試験>
鉛やクロム、PCBを有害物質を含む塗料のはく離やかき落とし作業では、作業者の健康障害を防止する必要があります。
鉛:含有量に関わらず「鉛中毒予防規則」が適用されます。
クロム・PCB:含有量が重量の1%を超える場合「特定化学物質障害予防規則」が適用されます。
- 2.廃棄物処理に関わる基準<溶出試験>
有害物質を含む可能性がある塗膜を処分する際は、適切な処理と管理が必要です。
鉛は 0.3 mg/L、六価クロムは 1.5 mg/L、PCBは 0.003 mg/L が基準値とされており、 これを超えた場合は特別管理産業廃棄物に該当し、厳格な管理と処理が求められます。
- 3.廃棄物処理に関わる基準<含有試験>
廃棄する塗膜にPCBを含む可能性がある場合は、PCB特措法※に基づき、PCB汚染物に該当するか確認する必要があります。
含有試験の結果、基準値0.5 mg/kgを超えた場合はPCB廃棄物に該当し、 100,000 mg/kg を超える場合は高濃度PCB廃棄物、超えない場合は
低濃度PCB廃棄物となります。
※PCB特措法
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
- 注1:PCBを含む油が自由液として明らかには存在していない場合の該当性判断基準。
- 注2:廃棄物処理の対象となる項目は、鉛・六価クロム・PCBの3項目だけではなく、全25項目となります。
分析方法
鉛・クロム・PCB

アスベスト
A 1481-1(偏光顕微鏡法)による定性分析が可能です。
環境省が発令した大気汚染防止法改正の事務連絡において、アスベスト事前調査対象外は、道路法(1952年法律第180号)第2条第1項目に規定する道路のうち道路土工、舗装、橋梁(塗膜を除く)と記載されています。
そのため、橋梁塗膜もアスベスト事前調査対象となります。

当社HPではアスベスト分析への取り組みを紹介しています。

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- 構造物塗料事業部 マーケティンググループ
- E-MAIL: cfa.info@star.dnt.co.jp
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- 〒144-0052
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- TEL 03-5710-4502 FAX 03-5710-4520
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