ケルビンα2.5|インフラ設備補修用 はく離抑制型塗料

塗膜剥離抑制塗料ケルビンα2.5

塗膜はく離の抑制により鋼構造物の長寿命化に寄与!

ケルビンα2.5の開発背景

  • 1.旧塗膜のはく離による鋼構造物自体の寿命低下
    鋼構造物の保守は塗り替え工事による維持管理が行われています。しかし、度重なる塗り替え補修により旧塗膜は膜厚過剰になり、塗膜に溜まった応力によって、割れやはがれを生じるケースが見られるようになってきました。
  • 2.超過剰厚膜となった旧塗膜の除去には高額な素地調整が必要、高構造物の維持管理におけるLCCが高騰
    現状の維持管理でははく離剤やブラスト処理などによる旧塗膜の全面除去が必要となり、素地調整に多額の費用が発生しています。加えて、旧塗膜に含まれる有害重金属は安全面や処分費用面での負担にもなっています。

線膨張係数に着目した次世代の防食技術
『塗ることで旧塗膜のはく離を抑制する塗料』

ケルビンα2.5は、線膨張係数に着目し当社ほか3社によって共同開発された塗料です。塗膜の線膨張係数を鉄に近づけることで、旧塗膜のはく離を抑制し、塗り重ねて厚膜にするほどはく離リスクが低減できます。

はく離抑制メカニズム

環境温度の変化による塗膜破壊

塗り重ねられた一般的な塗膜 線膨張係数が鉄よりも大きい塗膜は塗り重ねられるほど伸縮幅の違いによるストレスが増加し、付着力が徐々に低下します。
増加したストレスにより塗膜がはく離 増加したストレスが塗膜の付着力を超えるとはく離してしまいます。さらには、蓄積したストレスによって、塗膜に割れが生じることもあります。

ケルビンα2.5による塗膜はく離抑制メカニズム

ケルビンα2.5により塗膜伸縮を抑制 一般的な塗膜と比べ、線膨張係数が小さいケルビンα2.5は寸法安定性に優れているため、塗り重ねられた旧塗膜の伸縮を抑制します。
ケルビンα2.5を塗り重ねるほどはく離を抑制 ケルビンα2.5を塗り重ねるほど、旧塗膜の伸縮を押さえ込む力が増加し、はく離抑制機能が向上します。

ケルビンα2.5の動画でのご紹介

ケルビンα2.5の特徴

  • 1.劣化旧塗膜のはく離を抑制

    これまで繰り返し行ってきた補修塗装により厚膜化し、はく離リスクが高まった劣化旧塗膜のはく離を抑制します。

  • 2.補修コストの大幅な低減
    ケルビンα2.5で補修塗装をすることで厚膜化した旧塗膜のはく離リスクが低減されるため、①旧塗膜の除去にかかる費用が軽減され、②メンテナンスサイクルが長期化できることから、鋼構造物のライフサイクルコストの低減に貢献します。
  • 3.特別な塗装技術が不要
    刷毛、ローラー、スプレーなど従来どおりの各種塗装方法をお選びいただけ、特別な塗装技術を要しません。
  • 4.高い防食性能
    従来の変性エポキシ樹脂塗料と同等の優れた防食性が得られます。

ケルビンα2.5の関連用語集

線膨張【せんぼうちょう】

線膨張とは、温度変化に応じて物体が膨張したり収縮したりする現象を指します。温度が1℃上昇したときに生じる線膨張の変化を線膨張係数で表し、これは物質により大きく異なります。

代表的な物質の線膨張係数の目安は以下のとおりです。下表の通り、中でも鉄は、線膨張係数が小さく寸法安定性に優れる素材と言えます。ケルビンα2.5は、通常の塗膜よりも線膨張係数を大きく低減させた塗料です。

素材 線膨張係数(10-5/k) 素材 線膨張係数(10-5/k)
1.2 1.4
エポキシ塗膜 6.5 1.9
ウレタン塗膜 9.7 1.7
ケルビンα2.5塗膜 2.5 ニッケル 1.3
アルミニウム 2.4 ポリエチレン 18.0
亜鉛 3.3 ポリカーボネイト 7.0

厚膜【あつまく】

塗料業界では、塗膜の防食性を高める狙いから通常の膜厚よりも厚塗りが可能な塗料設計を行うことがあり、この塗料を厚膜形塗料といい、この塗料による塗装を厚膜仕上げといいます。

一方、塗り替え時に旧塗膜の上から補修塗装を行うことで、トータル膜厚が増すこともあり、このような場合においても塗膜の厚膜化といいます。従来の塗料では、塗膜が厚膜化するとはく離リスクが高まるなど、塗膜不良のリスクが高まります。

旧塗膜【きゅうとまく】

塗料業界では、塗料の塗り替えを行う際に、素地に付着している既存の塗膜を「旧塗膜」と呼びます。

中でも、素地との付着が十分で、上から新しい塗料を塗っても支障のない塗膜を「活膜(かつまく)」と呼び、素地との付着が不十分、あるいは割れ、はがれ、膨れを伴い塗膜としての保護性能に支障を来した塗膜を「死膜(しまく)」と呼びます。通常の塗り替え工事では、ケレン等の素地調整によって死膜は除去し、活膜は残してその上から塗装するのが一般的です。

ケルビンα2.5適用時における注意事項

塗装前処理(素地調整)について

通常の変性エポキシ樹脂塗料を塗装される場合と同様の処理を行って下さい。旧塗膜の内、さび、割れ、剥がれ、膨れなどが生じている死膜部分については劣化塗膜やさびを除去して鋼材面を露出させる必要があります。それ以外の活膜部分については、表面に付着した油・湿気・じんあい、水分、旧塗膜上に固着した粉状異物、その他の有害な付着物は完全に除去し、活膜全体を軽く目粗しして下さい。

関連情報ケレンとは何か?素地調整の目的・重要性・効果

塗装作業について

通常の変性エポキシ樹脂塗料と同様の取扱いが可能です。使用時には主剤と硬化剤を規定の割合で混合し、十分攪拌して均一な塗料状態にして下さい。塗装時においては過度な希釈を避け、所定の量を規定の膜厚にて塗布して下さい。また、混合後に可使時間を超えてしまった塗料は使用できません。

本製品のはく離抑制効果について

本塗料は厚膜化した旧塗膜のはく離を抑制する効果をもつ製品です。しかし、死膜のようにすでに健全な付着力を失った劣化塗膜のはく離を抑制するものではありません。また、本塗料が付着できない表面状態(付着性を阻害する異物が表面に残存している状態)の旧塗膜に対しても充分な効果を発揮できません。

本塗料のはく離抑制効果は、これら旧塗膜が塗装前処理により適切に処理された場合に発現するものである点にご注意下さい。その他、ご不明な点は当社へお問い合わせ願います。

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