水性塗料(水系塗料)のメリットや塗装時の注意点
従来、水性塗料はVOC(揮発性有機化合物)排出抑制をはじめとした環境保全の観点から溶剤形塗料からの置き換えが進められてきました。それに加え近年では、塗装作業時の安全面の観点からも、引火の心配が不要な水性塗料の重要性が高まっています。
水性塗料のメリット
VOCを大幅に削減可能
平成27年度における環境省の調査(※1)では、全VOC排出量のうち約39%が塗料由来であり、VOC削減に対して塗料が果たすべき責任は依然大きなままです。塗料に含まれるVOCの大部分はシンナー等の有機溶剤であるため、溶剤形塗料から水性塗料への置き換えが進むことで、VOC排出量を削減することが出来ます。
有機溶剤特有の臭いや中毒の心配が不要
シックハウス・シックスクール症候群の原因物質であるVOC含有量が少ないので、溶剤形塗料と比べ臭気や有害性も低いです。このため居住・営業を継続しながらでも塗装が可能であり、塗装作業者や居住者の健康面・環境面に配慮した塗料と言えます。
保管が容易、引火の心配もナシ
水性塗料は主成分が「水」なので、基本的には非危険物扱いとなり保管も容易です。
もちろん引火の心配もないため、この点においても塗装作業時の安全面に配慮した塗料と言えます。
※1 環境省ホームページ > VOC排出インベントリ
水性塗料を塗装する際の注意点
施工時における降雨や結露など水分影響を避ける
塗装時から乾燥過程にかけての間に水分影響を受けると塗膜の形成に悪影響を及ぼす可能性があるため、天候への配慮と養生方法の工夫といった施工管理が重要です。
被塗物の油分は必ず取り除く
塗装前には適切な素地調整が必要であることはどの塗料でも同様ですが、水性塗料の場合は被塗物に油分が残っていると塗料の付着不良が発生する可能性があるため、特に十分な下地処理を行う必要があります。
低温環境では成膜性が低下する
一般的な水性塗料は、塗膜形成過程において環境温度が5℃以下となると、塗膜の硬化機能が低下し、塗膜としての性能を十分に発揮できない可能性があります。
なお、上記の注意点は一般的なものであり、実際の塗装時には単品説明書や塗装仕様書に記載された塗装方法を遵守していただきますようお願いいたします。
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