フッ素樹脂塗料はなぜ耐候性に優れるのか
耐候性に最も優れる樹脂系であるフッ素樹脂塗料。耐候性のほかにも耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、撥水性などが極めて優れており、滑り性や非粘着性といった独自の性質も有しています。こうした特徴を生かし、塗料以外にも航空機や半導体といった精密機器から、フライパンや炊飯器といった身近な家庭用品まで広範囲に展開されています。
フッ素樹脂が耐候性に優れる理由
フッ素樹脂とは組成内にフッ素原子を含む重合体のことで、原子間の結合力が強いことが知られています。
フッ素樹脂にも様々な種類があり分子構造も細かく異なりますが、下図はそのうちの一例となります。C-F間の結合は非常に強力であり、このことがフッ素樹脂最大の特徴である極めて優れた耐候性を生み出しています。
フッ素樹脂の分子構造の一例

耐候性とは気候の変化への耐性のことで、①太陽光や紫外線、②雨水、③酸素による酸化反応、④朝昼夜の温度変化 等によって変形・変色・劣化といった変質を起こしにくい性質のことです。建造物等を保護する目的で用いられる塗料にとって、この耐候性は非常に重要な性質です。
フッ素樹脂塗料によるLCC削減への貢献
フッ素樹脂塗料は、一般的に耐候性に優れると言われるアクリル樹脂塗料やシリコーン樹脂塗料と比べても耐候性に優れており、一度塗装すれば長期間塗り替えを行う必要がありません。
特に大型建造物において、塗料の塗替えを行う際には足場を組む必要が生じるなど大型の工事となるため、工期が長期化し多額の費用が必要になります。耐候性の高い塗料であれば、塗替え周期は短くなり、建造物のLCC(ライフサイクルコスト)を削減することが出来ます。
近年ではLCCの観点から、経済性にも優れ、環境負荷低減も図れることが認知されており、高層ビルや大型構造物などに広く採用されています。
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