トップメッセージ
株主・投資家の皆様へ

代表取締役社長の里 隆幸です。株主・投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
当社は、2023年10月26日に公表した当社連結子会社である岡山化工株式会社における不適切行為および2024年11月29日付で公表したJISマーク表示の一時停止について、外部弁護士を中心とする特別調査委員会の調査結果を踏まえ、本年5月12日付で調査報告書を公表いたしました。特別調査委員会からは再発防止に向けた提言を頂いており、提言に基づいた取り組みを真摯に、かつ速やかにやり遂げ、皆様からの信頼を取り戻すことが私の最大の責務であると考えております。株主様、お取引先様をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
当期の経営成績につきましては、国内塗料事業において一連の不適切行為問題による売上減少の影響があったものの、かねてより進めてきた価格是正が進展したこと、インク・分散技術関連で新製品の拡販やディスプレイ用途への採用が進展したことを受け、前年を上回りました。また、照明機器事業が堅調に推移したこともあり、連結売上高は725億1千1百万円(前期比0.8%増)となりました。
一方、利益面においては、国内塗料事業における費用増加、海外塗料事業における売上減少に伴う利益率低下により、営業利益47億1千6百万円(同3.8%減)、経常利益51億9千9百万円(同2.6%減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、神東塗料株式会社(以下、神東塗料)を子会社化したことによる負ののれんの発生益および政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益の計上により、94億3千7百万円(同105.1%増)となりました。
当社グループは、創立100周年を迎える2029年度のありたい姿として、業績面で連結売上高1,000億円、連結営業利益100億円、NOPAT(税引後営業利益)-ROE8%程度の企業規模へ成長することをビジョン2029として掲げております。2024年度からスタートした2026中期経営計画では、ビジョン2029の実現に向けた事業戦略と基盤の深化に注力することとし、「成長市場と先駆的領域への注力」「外部リソースの獲得・活用による事業基盤の拡大」「人材及び事業活動の全社最適化」の3つの基本方針に取り組んでおります。この基本方針に基づく取組みの一環として、総合塗料メーカーである神東塗料の株式を取得し、本年3月18日付で連結子会社化しました。今後、同社とのシナジーを着実に生み出し、ビジョン2029の実現に向けた歩みを加速してまいります。
株主・投資家の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。
2025年6月
大日本塗料株式会社
代表取締役社長
