トップメッセージ
株主・投資家の皆様へ

代表取締役社長の里 隆幸です。株主・投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
当社の連結子会社である岡山化工株式会社が製造するJIS製品において、社内で定めた検査規格に係る検査値の改ざん等の不適切行為が判明し、昨年10月26日付でJIS認証機関よりJISマーク表示の一時停止処分を受けました。株主・投資家の皆様には多大なるご心配をおかけしましたこと深くお詫び申しあげます。本事案については、社外の弁護士、当社独立社外取締役および独立社外監査役から構成される特別調査委員会を設置し、全容の解明に向けて調査を進めております。
一時停止処分は3月7日付で解除されましたが、当社は今回の事態を重く受け止めており、特別調査委員会の調査結果を踏まえ、全力を挙げて再発防止の徹底と信頼の回復に向けて取り組んでまいります。
当期の当社グループの経営成績につきましては、国内塗料事業において粉体製造子会社の合弁解消影響や一連の不適切行為事案による需要減速により、売上高は前期を下回り、719億4千万円(前期比▲1.2%)となりました。一方で、営業利益は、照明機器事業における収益力強化や価格是正の浸透により、49億1百万円(同+24.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の一部売却や連結子会が保有する固定資産の譲渡に伴う特別利益を計上したこともあり、46億円(同+33.0%)となりました。
当社は、創立100周年を迎える2029年度におけるありたい姿として、業績面では連結売上高1,000億円、連結営業利益100億円を目標としています。中期経営計画(2020-2024)では、最終年度目標である連結売上高750億円、連結営業利益66億円に対して利益面で大きく未達という結果となりましたが、このたび2024年度からの「2026中期経営計画」に移行するにあたり、従来の経営戦略や現状の事業ポートフォリオを見つめなおし、マテリアリティの再定義を図りました。そして、2029年度のありたい姿と現状とのギャップを埋めるべく、3つの基本方針「成長市場と先駆的領域への注力」「外部リソースの獲得、活用による事業基盤の拡大」「人材及び事業活動の全社最適化」のもと、まずは事業戦略と基盤の深化に注力してまいります。
最終年度となる2026年度の業績目標は、連結売上高800億円、連結営業利益80億円、NOPAT-ROE8%とし、株主還元策としては、2026年度までにDOE3%を目標といたしました。事業戦略の着実な遂行と安定的かつ積極的な株主還元策により、資本コストや株価を意識した経営に努めてまいります。
株主・投資家の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。
2024年5月
大日本塗料株式会社
代表取締役社長
