ポリエステル樹脂塗料の種類と特徴

ポリエステル樹脂とは、多塩基酸と多価アルコールを重縮合させ、内部にエステル結合を有する樹脂のことです。代表的なものとしては、テレフタル酸とエチレングリコールから製造されるポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で、ペットボトルとして使用されています。
塗料としては古くから脂肪酸と多価アルコール、フタル酸等からなるアルキド樹脂が使用され、アルキド樹脂塗料としてよく知られています。

アルキド樹脂塗料(フタル酸樹脂塗料)

アルキド樹脂はポリエステル樹脂の一種で、安価で使いやすく、一定水準の性能も満たすことから塗料用樹脂として最も広く使用されてきました。防食分野を中心にフタル酸樹脂塗料とも呼ばれることもあります。通常、塗料に使用する樹脂には酸成分として油の脂肪酸を含み、油長(油の含有量)の大きいものから長油性、中油性、短油性に分類されます。

油性 油含有量 特徴
短油性 ~45% 塗膜の光沢、硬度に優れる。焼付型の塗料が多い。
中油性 45%~55% 短油性と長油性の中間的な性質となる。
長油性 55%~ 粘度が低く、作業性に優れる。耐水性や耐薬品性に劣る。
「合成樹脂調合ペイント」としてJIS規格化されており、建築・構造物用途料の中・上塗りとしてよく用いられる。

オイルフリーポリエステル樹脂

オイルフリーとは、脂肪酸を含まないことを意味しており、オイルフリーアルキド樹脂とも呼ばれます。アルキド樹脂の脂肪酸残基は、樹脂の相溶性や顔料との湿潤性を向上させますが、耐汚染性や耐溶剤性を低下させるため、硬度と可撓性の両立が難しくなります。そこで、性能のバランスを確保するために、脂肪酸を含まずに設計されたものがオイルフリーポリエステル樹脂です。

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