ニュース リリース大日本塗料株式会社

熱可塑性プラスチックの金型内塗装技術
(インモールドコーティングプロセス)を開発

−2000年5月17日リリース−

 大日本塗料株式会社(社長:豊松正文)と宇部興産株式会社(社長:常見和正)は熱可塑性プラスチック製品の表面塗装を、射出成形を行った金型内で同時に行う画期的なインモールドコーティングプロセスを開発した。

 熱硬化性成形材料であるSMC(シートモールディングコンパウンド)のインモールドコーティングプロセスは既に大日本塗料(株)において開発されており、乗用車やトラックなどの外板部品で使用されている。今回は、成形サイクルが短く全自動で成形を行う熱可塑性プラスチックに適応できる技術を、射出成形機のメーカーでもある宇部興産(株)と共同で開発することに成功したものである。

 自動車部品、家電製品、OA機器などに使われるプラスチック部品は、通常射出成形された後に別工程において塗装される。しかし塗装には多くの工程が必要なため不良率が高くなり、塗装のコストは時として部品単価の半分を占めることもある。また、従来塗装では環境に悪影響を及ぼすと考えられる揮発性有機物(VOC)の発生が避けられなかった。

 今回開発されたインモールドコーティングプロセスでは射出成形と同時に塗装を行うことから工程が大幅に短縮され、揮発性有機物も全く発生しない。本プロセスの概略は、熱可塑性プラスチックを射出成形した後に特殊仕様の射出成形機と金型で型締め力を精密にコントロールしながら、有機溶剤を含まない特殊塗料を注入するというものである。金型内に注入された塗料は金型内の熱によって瞬時に硬化し、従来塗装では実現できなかった平滑な表面を得ることができる。 もちろん実使用に耐えられる耐候性、表面硬度、密着性なども堅持している。

 本プロセスの優位性は塗装コストの低減と環境問題対策にある。射出成形の金型から塗装を完了した製品が出てくるので、工程の大幅短縮が行えると同時に大掛かりな塗装設備も不要になる。これらにより、部品単価として約40%のコストダウンが計れるという試算をしている。また、コーティング剤は有機溶剤を全く含まず金型内で全量が完全硬化するので、揮発性有機物の系外放出はゼロである。また、塗装工程で使っていた電力量も削減でき、これからますます厳しくなる地球環境対策とその保全に関して十分対応できる革新的技術である。ISO14000にも適したプロセスと言える。

 今後、大日本塗料(株)と宇部興産(株)は協力して市場展開を計っていく予定である。


特 徴

1.プロセスの特徴
 (1)熱可塑性プラスチックに適用できる。
 (2)塗膜形成工程が大幅に短縮できる。
 (3)大型の塗装ブース・乾燥炉が不要である。
 (4)コーティング剤の利用効率が高く廃棄物が少ない。
 (5)平滑性に優れ、均一な仕上がりが得られる。
 (6)塗膜に、ゴミ、ブツ、タレ、ワキなどの不具合が生じない。

2.装置の特徴
 (1)射出成形機を基本とした装置のため安価である。
 (2)全電動式射出成形機の使用が可能なため、完全にクリーンな環境で生産できかつ電気代が大幅に削減できる。
 (3)金型に手を加えないで連続で成形できる。

3.コーティング剤の特徴
 (1)有機溶剤を全く含まない。
 (2)流動性と硬化性に優れ、良好な仕上がりが得られる。
 (3)塗膜性能に優れる。

4.環境に対する特徴
 (1)揮発性有機物(VOC)を大気中に放出しない。
 (2)再生プラスチックとしてリサイクル使用が可能である。
 (3)廃棄物の発生が少ない。
 (4)塗膜形成のためのエネルギーの使用が少ない。


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